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2022.11.28

歯根嚢胞の原因は細菌感染! 神経を取った歯にも嚢胞はできるのか解説

歯根嚢胞(しこんのうほう)とは、一言でいうと歯の根の奥にある嚢胞です。

一般的には聞きなれない歯科用語かもしれません。しかし、歯根嚢胞の発生頻度はとても高く、顎の骨の中に生じる嚢胞の中でも約50%以上が歯根嚢胞と言われています。

今回は、なぜ顎の骨の中に嚢胞を作ってしまうのか?といった原因から、実際にどのような方が歯根嚢胞を起こすのか?といった具体例まで挙げていきます。

歯根嚢胞の原因は細菌の感染

歯根嚢胞は歯の根の奥に膿が溜まり、細菌感染を起こしている状態を指します。

歯根嚢胞ができるパターンを大別すると、下記3パターンです。

・神経が死んでいる歯
・既に神経を取る治療をした歯
・歯や歯の根っこが割れた

つまり、生きている健康な歯に歯根嚢胞はできないと言うことです。

歯根嚢胞の具体例①むし歯の慢性化

歯根嚢胞になりやすい例を具体的に挙げていきます。1つ目はむし歯を放置し続けてこじらせてしまって歯根嚢胞になるパターンです。

むし歯菌が歯を溶かし、細菌が歯の奥へと進行していくと、歯の神経に達します。ここで細菌感染を起こし、遅かれ早かれ歯の神経は死んでしまいます。死んだ歯の神経は腐って溶けていき、むし歯菌の巣窟になってしまいます。

さらに、むし歯菌が歯の根の奥に達すると、周囲の骨に膿を溜め、初期段階では根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)という病気が発生します。根尖性歯周炎自体は、歯の根の先に膿がとどまっている状態ですが、放置し続けるとやがて慢性化して歯根嚢胞に変化していくのです。

このような理由で細菌感染が起こると、膿が根の奥を通り、顎の骨に溜まっていくというわけです。

歯根嚢胞の具体例②根管治療を行った後の歯

次に、歯根嚢胞ができる2つ目のパターンは、歯の神経を取ったあとの治療歯です。

「え?歯の治療をしたのに、膿ができてしまうの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここで、歯根嚢胞につながる理由を解説していきます。

歯の神経を取る治療、これを「根管治療」と呼ぶのですが、根管治療の際に神経の代わりになるお薬(根管充填材)を詰めていきます。根管充填材は細菌と比べるととても大きく、いくら緊密に詰めたとしても、根管充填材のすき間から細菌が入り込んでしまって、根尖性歯周炎から歯根嚢胞へと進行していくのです。

歯根嚢胞の具体例③歯の根っこが割れたとき

外傷などで歯に大きな衝撃がかかると、歯や歯の根っこに割れたりヒビが入ったりすることがあります。割れたすき間から細菌が侵入して歯の根っこに膿の袋を作るケースがあります。これを歯根破折と言うのですが、歯根破折した歯は歯根嚢胞のリスクが高まります

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