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2025.05.19

舌に模様や溝?地図状舌と溝状舌の違いとセルフケアのポイント


舌の表面に地図のような模様や深い溝があることに気づき、「これって病気?」「人にうつ鏡で舌を見たとき、「地図のような模様がある」「深くて不規則な溝ができている」など、見慣れない変化に驚いたことはありませんか?

この記事では、地図状舌と溝状舌という2つの舌の状態について、それぞれの特徴・原因・注意点を解説しながら、日々のケア方法についても丁寧にご紹介します。

地図状舌ってどんなもの?

特徴:舌に地図のような赤い模様

地図状舌(ちずじょうぜつ)は、舌の表面に不規則な赤い斑点やまだら模様があらわれ、縁が白く縁取られて見えるのが特徴です。日によって模様の位置が変化することがあり、別名「良性移動性舌炎」とも呼ばれています。

特に乳幼児や若年女性に多くみられ、家族間で似た傾向が見られるケースもあります。

主な原因:明確には不明も、複数の要素が関与

医学的に原因ははっきりしていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。

・ビタミンB群の不足
・ストレスや精神的負担
・遺伝的な体質
・アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患との関連

また、地図状舌は溝状舌と併発するケースも多く、溝内の微生物が刺激となっている可能性も示唆されています。

溝状舌ってどんなもの?

特徴:舌の表面に深いしわができる状態

溝状舌(こうじょうぜつ)は、舌の表面に深く刻まれた溝やしわが多数見られる状態で、「皺襞舌(しゅうへきぜつ)」とも呼ばれます。放射状に溝が広がるケースが多く、一見して「しわの多い舌」という印象です。

原因:先天性・後天性ともに存在

多くは生まれつきの特徴としてあらわれますが、後天的に発症する場合もあります。関与が指摘されている要素には以下のようなものがあります。

・慢性的な舌炎や外傷
・ビタミン欠乏症
・加齢や口腔乾燥、免疫力低下
・ダウン症や特定の遺伝症候群(例:メルカーソン・ローゼンタール症候群)

が挙げられます。

放っておいても大丈夫?治療の必要性

基本的に、どちらの舌の状態も病的なものではなく、多くは心配のいらない良性の変化とされています。自覚症状がなく、生活に支障がない限りは特別な治療は必要ありません。

ただし、以下のような症状が見られる場合は、歯科医師や医療機関に相談することをおすすめします。

・食事の際にヒリヒリしたり、しみる感じがする
・舌の見た目が急激に変化した
・舌苔が多く、口臭が気になる

地図状舌で症状がある場合には、うがい薬や炎症を抑える塗り薬(ステロイド剤など)が処方されることがあります。溝状舌で痛みや感染リスクがある場合には、専用の舌ブラシでの丁寧なケアや衛生指導が行われることもあります。

日常生活で気をつけたいポイント

・刺激物を避ける: 香辛料や熱い飲食物は症状を悪化させることがあります。
・口腔内を清潔に保つ: 舌ブラシやうがいを取り入れ、舌の溝や模様に汚れがたまらないようにしましょう。
・栄養バランスの取れた食事: 特にビタミンB群の不足は、粘膜トラブルの一因になります。
・ストレスケア: 地図状舌はストレスとの関連も指摘されています。リラックスできる時間を大切に。

舌の変化が気になるときは歯科医院へ!

舌に見られる模様や溝の変化は、最初は驚くかもしれませんが、大半は自然な生理的変化にすぎません。

ただし、違和感がある、痛みを感じる、見た目が急変したというような場合には、口腔内の疾患や他の病気が隠れている可能性もゼロではありません。

舌は「健康の鏡」ともいわれる器官です。少しでも不安を感じたら、かかりつけの歯科医師や口腔の専門家に早めに相談することをおすすめします。

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