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2025.07.28

フッ化物によるむし歯予防|効果・安全性・正しい使い方を解説

フッ化物使用によるむし歯予防
フッ素(フッ化物)は、むし歯予防における最も効果的かつ合理的な手段とされています。

しかし、「本当に安全?」「子どもにも使っていいの?」といった不安や、「どう使えば一番効果的なのか知りたい」という声も少なくありません。

ここでは、フッ化物の科学的根拠に基づく効果と安全性、そして年齢別の使い方まで、わかりやすく解説します。

フッ化物はなぜむし歯に効くのか?

フッ化物には主に3つの働きがあります。

1.歯の再石灰化を促進

むし歯は、歯の表面からカルシウムやリンが溶け出す「脱灰」によって始まります。フッ化物はその逆のプロセスである「再石灰化」を促進し、初期のむし歯を修復します。

2.歯質を強化

フッ化物がエナメル質に取り込まれることで、酸に強い結晶構造(フルオロアパタイト)へと変化し、むし歯への抵抗力が高まります。

3.むし歯菌の活動を抑制

むし歯菌が酸をつくる過程を妨げ、脱灰を防ぎます。

フッ化物は本当に安全?

「フッ素は危険では?」という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし、WHOや厚生労働省、日本歯科医学会をはじめとした複数の機関が、正しく使用すれば安全性が高く、むし歯予防に有効であると結論づけています。

特に市販のフッ素入り歯磨き粉や、歯科医院での塗布、学校などでのフッ化物洗口は、濃度や頻度が管理されており、過剰摂取のリスクは極めて低いとされています。

具体的な使用方法と選び方

以下のように、年齢や生活環境に応じたフッ化物の使い方があります。

フッ化物の種類

・フッ素入り歯磨剤
 濃度:約1,000ppm
 特徴:毎日のケアに最適。使用後のすすぎは少量の水で1回が目安。

・フッ化物洗口
 濃度:225〜900ppm
 特徴:学校や家庭で実施可能。うがいができる年齢から使用可。

・フッ化物塗布
 濃度:約9,000ppm
 特徴:歯科医院で定期的に行う。高濃度で予防効果が高い。

年齢別|フッ化物配合歯磨き粉の使い方の目安

・0〜2歳頃
 歯が生えたらすぐに、米粒大のフッ素入り歯磨き剤(約1,000ppm)を使用。

・3〜5歳
 1,000ppm程度の歯磨き剤をグリーンピース大(約5mm)に増量して使用。
 ※うがいは少量の水で1回のみが目安。

・6歳〜成人・高齢者
 フッ素濃度1,400〜1,500ppmの歯磨き剤を、歯ブラシ全体(1.5〜2cm程度)にのせて使用。

※使用量・濃度は歯科医師の指導のもと調整してください。

歯が生えた直後から2〜3年間が、むし歯になりやすい要注意期間です。1歳前後から中学生までの子どもには、年齢に合った濃度・頻度でのフッ化物利用が特に効果的です。

フッ化物は単独ではなく「併用」が重要

フッ化物は非常に効果的ですが、それだけでむし歯を100%防げるわけではありません。正しいブラッシング、甘味の摂り方、定期的な歯科受診など多角的なむし歯予防と組み合わせることで最大の効果が発揮されます。

まとめ

フッ化物の利用は、現代のむし歯予防において科学的根拠に基づき、安全性・経済性・効果のバランスが取れた方法です。大切なのは、正しい情報を知り、自分や家族に合った方法で継続的に取り入れること。健やかな歯の未来を守るために、フッ化物を上手に活用していきましょう。

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