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2025.09.30

抗生剤はいつ飲む?歯科治療における抗生物質の正しい知識と注意点

歯科で処方される抗生剤には、感染予防や炎症を抑える重要な役割があります。本記事では、抗生剤が必要な症状や痛み止めとの違い、副作用や飲み合わせ、そして耐性菌を防ぐ正しい服用方法までをわかりやすく解説します。

【なぜ歯科で必要?】抗生剤が効く症状と痛み止めとの決定的な違い

歯科で抗生剤を飲む理由

歯科で抗生剤(抗生物質)が処方されるのは、細菌による感染や炎症を抑えるためです。

虫歯や歯周病が進行すると、歯ぐきや顎の骨にまで細菌が広がり、腫れや痛みを伴うことがあります。こうした「細菌性の炎症」がある場合に、抗生剤は有効に働きます。

特に、親知らずの抜歯や根尖性歯周炎など、傷口から感染のリスクが高い処置後には、感染を防ぐ目的で抗生剤が投与されることがあります。

抗生剤と痛み止め(鎮痛剤)の違い

痛み止め(鎮痛剤)は、炎症による痛みを一時的に和らげる薬であり、原因そのものを取り除くわけではありません。

一方、抗生剤は炎症の原因となる細菌に直接作用します。

たとえば、歯の神経が感染している場合、抗生剤で菌の増殖を抑え、鎮痛剤で痛みをコントロールする――このように両方を併用して治療を進めるケースも少なくありません。

抜歯後の抗生剤は必要?感染リスクが高い治療時の予防投与

抜歯やインプラント手術など、出血や組織損傷を伴う処置では、感染を予防するために抗生剤が処方されることがあります。

特に、免疫力が低下している方や糖尿病などの持病がある方では、感染リスクを下げる目的で予防投与が行われる場合もあります。

知っておくべき抗生剤の副作用と飲み合わせの注意点

抗生剤アレルギーとは?

抗生剤には、まれにアレルギー反応を起こすものがあります。発疹・かゆみ・息苦しさなどの症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医療機関に相談しましょう。

また、過去に薬で体調を崩した経験がある場合は、事前に歯科医院へ伝えておくことがとても大切です。

下痢や吐き気…よくある副作用と対処法

抗生剤は、腸内細菌のバランスに影響を与えることがあり、一時的に下痢や胃の不快感を感じることがあります。

多くの場合は一過性で、服用を終えると自然に回復しますが、症状が強いときは早めに歯科医院へ相談しましょう。

飲み合わせが危険な薬や食品

抗生剤の種類によっては、アルコールや一部の解熱鎮痛剤と飲み合わせに注意が必要なものもあります。

また、腎臓や肝臓に疾患がある場合、薬の代謝に影響が出ることもあります。他の薬を服用している場合は、歯科医院や薬剤師に伝えておきましょう。

【自己判断はNG】抗生物質耐性を防ぐ正しい飲み方と服用期間

抗生剤を飲まないとどうなる?自己判断で中止するリスク

症状が軽くなったからといって、途中で抗生剤の服用をやめてしまうと、体内に細菌が残り、再び炎症を起こす可能性があります。

不十分な服用は、薬が効かなくなる「耐性菌」を発生させる原因にもなります。処方された抗生剤は、指示どおり最後まで飲み切ることが大切です。

抗生物質耐性(耐性菌)とは?正しい飲み方で防ぐ

抗生物質耐性とは、細菌が薬に強くなり、効かなくなる現象のことです。これは世界的にも問題視されており、個人の正しい服薬が重要だとされています。

抗生物質服用は「処方通りに」「決められた日数と回数を守る」ことが、私たちにできる最も確実な対策です。

薬を飲み忘れたら?服用期間と回数を守る重要性

飲み忘れに気づいたときは、時間が経ちすぎていなければすぐ服用しましょう。 ただし、2回分をまとめて飲むのは避けてください。

服用間隔を守りながら、指示どおりの回数をきちんと飲み切ることが大切です。

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