
インプラントは、失った歯を人工の歯根で補う治療法です。本記事では、基本構造や治療の流れ、費用相場、期間、リスク、そして長持ちさせるためのケアまで、後悔しないために知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説します。
【基本の仕組みと構造】インプラントとは?
インプラントとは、失った歯の根元にあたる部分に人工歯根(フィクスチャー)を埋め込み、その上に人工歯(上部構造)を取り付ける治療法です。
アバットメントと呼ばれる連結部分を介して固定されるため、見た目や噛む感覚が天然歯に近い仕上がりを目指せるとされています。
インプラント治療の流れ
一般的な治療の流れは次のようになります。
1.検査・診断(CT撮影や模型分析)
2.一次手術(インプラント埋入)
3.骨とインプラントの結合期間(オッセオインテグレーション)
4.二次手術(アバットメント取り付け)
5.型取り・完成
6.定期メンテナンス
骨の厚みや密度が足りない場合には、骨造成(GBR)やソケットリフトなどの補助手術が行われることもあります。
治療期間はおおむね数か月から半年ほどですが、骨の状態や治癒速度によって個人差があります。
手術は局所麻酔下で行われるため、痛みは抑えられるケースが多いとされています。
ブリッジ・入れ歯との違い
ブリッジや入れ歯との大きな違いは、周囲の歯を削らずに噛む力と見た目を回復できる点にあります。
インプラントは「人工歯根・アバットメント・上部構造」の3つで構成され、それぞれがしっかりと機能することで、天然歯に近い噛み心地を得やすいといわれています。
一方で、素材や設計の違いによって、耐久性や適合性には差が生じることもあります。
インプラントの費用相場と治療期間の目安
インプラントの費用は、材料費・手術費・検査費などを含む総合的なコストで構成されます。 使用するインプラント体の種類や医院の設備、治療の難易度によって金額には幅があります。
一般的に高額といわれるのは、長期的な安定性を確保するために精密な診断や衛生管理、技術力が必要とされるためです。
費用相場と支払い方法
1本あたりの相場はおよそ30〜50万円前後とされており、骨造成を伴う場合や複数本の治療ではさらに高くなる傾向があります。
また、医療費控除を利用すれば所得税の一部が還付される可能性があり、分割払い・デンタルローンなどを導入している医院も少なくありません。
治療期間の目安
治療にかかる期間は、骨の状態や施術方法によって大きく異なります。
・骨量が十分にある場合:おおよそ3〜4か月ほど
・骨造成などの処置を行う場合:およそ6か月〜1年程度が目安
長期治療であることを理解し、通院計画を立てることが大切です。
【後悔しないために】インプラントのリスクと寿命を延ばすケア
主なリスク
どんな治療にもリスクは伴います。インプラントでは、術後の腫れや痛み、インプラント周囲炎(人工歯根の周囲が炎症を起こす症状)などが代表的です。
特にインプラント周囲炎は、歯周病に似た炎症で、セルフケアの不足が原因になることが多いといわれています。 症状を放置すると、人工歯根が脱落してしまうおそれもあるため、早期の対応が重要です。
長持ちさせるためのポイント
インプラントを長く保つためには、自宅での丁寧なブラッシングと定期的なプロフェッショナルケアの両立が欠かせません。
歯科医院での専用器具による清掃や噛み合わせの確認は、インプラントの寿命を延ばすための重要なプロセスです。 また、歯ぎしりや食いしばりのある方は、ナイトガード(マウスピース)の使用が勧められることもあります。







