ブログ

2025.11.20

ヘルペス性口内炎について|大人と子供の症状・治療法・うつるリスクを解説

「口内炎が痛すぎて食事が喉を通らない」 「子供が急に高熱を出して、口の中を痛がっている」

もし、通常の口内炎とは違う激しい痛みや発熱を伴う場合、それはヘルペス性口内炎かもしれません。

この記事では、ヘルペス性口内炎の症状の特徴から、家族への感染リスク、そして早く治すための治療法について解説します。

ただの口内炎じゃない?ヘルペス性口内炎の症状と特徴|大人と子供の違い

【子供の場合】乳幼児に多い「ヘルペス性歯肉口内炎」:高熱と歯茎の腫れが特徴

乳幼児に多く見られるのが「ヘルペス性歯肉口内炎」です。 初めてウイルスに感染した際に発症することが多く、以下の症状が激しく出る傾向があります。

・38度〜39度以上の高熱が数日続く
・歯茎が真っ赤に腫れ上がり、出血しやすくなる
・痛みのあまり、よだれが増え、飲食を拒否する(不機嫌になる)

風邪と間違われやすいですが、口の中の異常が顕著な場合はこの病気を疑います。

【大人の場合】ストレスや疲労が引き金に:再発型と初感染型の違い

大人の場合、過去に感染したウイルスが体内に潜伏しており、免疫力が低下した際に暴れ出す「再発型」が一般的です。この場合、症状は比較的軽く済みます。

しかし、大人になって初めて感染した場合は、子供同様に高熱や激痛を伴う重症化リスクがあるため注意が必要です。

見た目の特徴:多数の「水ぶくれ」ができ、破れてびらん(ただれ)になる

ヘルペス性口内炎の最大の特徴は、口の粘膜のあらゆる場所に多数の小さな「水ぶくれ」ができることです。 歯茎、舌、唇の裏側、さらには喉の奥まで広範囲に水ぶくれが発生します。

これらが破れると、地図状の広範囲なびらん(ただれ)となり、鋭い痛みを伴う潰瘍に変化します。これが食事を困難にさせる痛みの正体です。

家族にうつる?ヘルペス性口内炎の原因と感染予防のポイント

原因は「単純ヘルペスウイルス」

この病気の原因は、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)です。 通常の口内炎は細菌などが原因であることが多いですが、こちらはウイルスです。そのため、一般的な細菌用の抗生物質(抗菌薬)は効果がありません。

ウイルスは唾液や水ぶくれの中の液体に大量に含まれており、接触感染や飛沫感染で容易に他人にうつります。

感染リスクがなくなるまでの期間の目安

感染力が最も高いのは、水ぶくれができている時期から、かさぶたになって乾くまでの間です。 一般的に発症から1週間〜2週間程度は感染リスクがあると考えてください。

ヘルペス性口内炎の治療は?薬と対処法

特効薬は「抗ウイルス薬」

治療の決め手となるのは、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬です。 飲み薬(アシクロビルなど)や塗り薬(軟膏)が処方されます。

重要なのはタイミングです。水ぶくれが出始めた初期段階(発症から48時間以内推奨)に使用を開始することで、症状の悪化を防ぎ、治癒までの期間を大幅に短縮できます。「おかしいな」と思ったら、すぐに受診しましょう。

食事の工夫や脱水症状の注意点

痛みが激しい時期は、栄養よりも水分補給を最優先してください。特に小さなお子様は、痛くて水を飲みたがらず、脱水症状になりやすいため注意が必要です。

・避けるべきもの: 熱いもの、辛いもの、酸味の強いもの(オレンジジュースなど)、硬いもの
・おすすめの食事: 冷ましたお粥、うどん、ゼリー、プリン、アイスクリーム、冷たいスープ

刺激の少ない、喉越しの良いものを少しずつ摂るようにし、安静にして免疫力の回復を待ちましょう。

ユキデンタルオフィス紹介 私たちと一緒に働く歯科衛生士・助手さん募集中 ユキデンタルオフィスBLOG