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2021.06.30

タバコや飲酒・歯並びは舌癌の原因になる?リスクファクターを解説


こんにちは。歯科医師の小場です😀

お口の中にできるがんを総称して「口腔がん」と呼びますが、お口の中にできるがんの中で最も多く見られるがんが舌にできる「舌癌」で、患者数の50~60%を占めます。

以前に書いたブログ「ただの口内炎だと侮ってはいけない理由」でも触れましたが、お口のがん発生頻度は全体がんの中で1〜3%程度と低めです。しかし年間約6000人が口腔がんにかかり、その中で約3000人が生命を失っています

一生自分の歯で噛みしめる喜びを保ち続けるために、今回はそもそも舌癌とは何が原因となり引き起こされるのか解説いたします。

舌癌の原因|リスク因子はタバコと飲酒

舌がんの原因が何であるかということは、実のところまだ明らかにはなっていませんが、舌癌のリスクファクター因子は存在します。それは「タバコを吸われている方(喫煙者)」と「飲酒をされる方」です。

なぜ飲酒とタバコが舌癌のリスクを高めるのでしょうか。見解としてはアルコールやタバコに含まれている化学物質の刺激を慢性的に受け続けている可能性がまず1つ。

2つ目は、舌癌になる方は女性よりも男性に多い傾向がありますので、性差が生じる要因の中で飲酒や喫煙の習慣があるのでは?との仮説があるからです。

ただし、一般的ながんの発症年齢のピークが50代~60代となっているのに対して、舌癌は飲酒や喫煙の習慣が長期間に及んでいない20代の若年層の方でも発症する(50歳未満での発症が約4分の1)という特徴も持っています。

今後の新たなるエビデンスが期待されるところでしょう。

舌癌の原因に歯並びの悪さは関与しているのか

舌癌を誘発する要因としてはほかにも「歯並び」が挙げられます。例えば「歯が内側へと傾いている」などといった歯並びの位置よっては、歯が常に舌にあたる方もいらっしゃいます。このような機械的な刺激を慢性的に受け続けることが、舌癌を誘発する原因とも考えられます。

同様のケースでは「合ってない入れ歯」や「虫歯」も舌への刺激となりますので、歯並びが悪い方と同じく、これらの場合においてもリスクファクターと言えるでしょう。

熱いものは舌癌の原因になるのか

熱い食べ物や辛い食べ物など、舌やお口の粘膜を刺激する食べ物も、舌癌の発生に関与しているようです。

これらの飲食物を摂取する習慣のある方は、お口の粘膜細胞が慢性的に傷ついて細胞の遺伝子ががん化しやすいと考えられていますので、このような飲食物や熱い食べ物は避けられた方が賢明でしょう。

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