顎関節症の治療はおもに4種類|それぞれの治療法や治療期間も解説
こんにちは。ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
顎関節症の治療法は「歯科医師をはじめとする医療従事者によっておこなうもの」と「自分でおこなうもの」この2つに大別されます。
治療期間は個人差があるのですが、概ね1カ月~半年程度で痛みや症状が軽減されるケースが多いです。
まずは詳しい治療法を見ていきましょう。
顎関節症の治療
顎関節症は時間の経過とともに症状が軽くなっていくことも多くあるため、手術などいわゆる外科的な治療をおこなうことは、基本的にありません。
ではどのようにして顎関節症を治療していくのでしょうか?具体的な顎関節症の治療法は以下4つです。それぞれの項目について深く掘り下げていきましょう。
薬で症状をおさえる
いわゆる「薬物療法」と呼ばれるものです。特に急性症状ではすみやかに痛みを落ち着かせる必要があるので、消炎鎮痛薬を処方するケースも少なくありません。
マッサージをする
顎関節症の治療はマッサージも有効な手段の1つです。マッサージには「医療従事者がおこなうもの」と「患者さんが自分でおこなうもの」の2つに分かれます。
○物理療法|医療従事者がおこなうもの
低周波治療による電気刺激や手指でマッサージしたり、ホットパックなどによる温熱療法をおこなったりなどして、筋肉の血流を促して痛みを緩和させます。
○運動療法|患者さんがおこなうもの
開口訓練や関節円板のずれを元に戻すような運動、または顎周辺や筋肉のストレッチ指導をおこない、お口を開けられる量を徐々に増やしていきます。
開けづらくなったお口が元通りになるようには、患者さんご自身でマッサージして筋肉をマメにほぐす作業が必要です。
顎関節症の症状に応じてこれらの指導メニューは変わってきますので、詳しくはかかりつけ医にご相談ください。
マウスピースを装着する
顎関節症が起こってしまう理由の1つとして、歯ぎしりや噛みしめが強いというケースが挙げられます。
そういったリスクファクターのある方に関しては、マウスピースを装着しもらって顎関節の負担を和らげることで顎関節症の症状を緩和させていきます。
生活習慣の見直し
顎関節症は強い精神的ストレスで、知らず知らずのうちに歯を噛みしめたり、食いしばったりすることで顎関節を痛めてしまう方もおられます。
そのような方には症状改善というよりは、生活習慣の見直し=根本原因の改善に努めた方がよいケースもあります。
顎関節症の治療期間
顎関節症の症状によっても、かなりの個人差があります。治療期間は概ね1カ月~半年くらいの間に症状がおさまるケースが多く、約7割の方は1年以内に症状が落ち着くといわれています。
つまり、顎関節症特有の不快感や不自由さは、時間の経過とともにさほど感じなくなっていくことも多いのです。
顎関節の雑音(ガクッと音がなるなど)程度の症状であれば、そのまま様子を見てみるのも方法の1つです。しかし「痛みが増していく」「不快症状が1カ月以上継続している」といった方は、一度歯科医院を受診してみましょう。(もちろん、当院でも受診はできます!)
顎関節症とは?|症状や何科にかかればよいのかを解説
こんにちは、ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
「顎が痛い」「お口が開きにくい」「顎を動かすとカクカクと音がする」これら3つの症状のうち、1つ以上当てはまる方は、もしかすると顎関節症かもしれません。
今回は顎関節症の代表的な3つの症状についてや何科を受診すればよいのかまで解説いたします。
顎関節症|3つの症状
顎関節症は以下の3つが代表的な症状です。痛みがひどくなってくると、口が開かなくなってしまったり、お口以外の器官(頭や首・肩など)にも痛みの連鎖が起きたりするケースもあります。
これら3つの症状のうち、1つでも当てはまる場合はあまり我慢し過ぎず、早めにかかりつけ医へ相談されることをおすすめします。
顎を動かしたら痛い
食事の際や会話中などのタイミングで、お口を開いて動かそうとする際、こめかみや耳の前の方・頬付近に痛みを感じます。
特に硬い食べ物を召し上がると顎の痛みが増す傾向にあり、痛みが強い方は何もしなくても顎やその周辺が痛むという方もおられます。
また本格的な痛みはなくとも、食事のあとに顎が疲れたりくたびれたりする方も、顎関節症の可能性があります。
顎関節の雑音がある
お口を開いた際に顎のあたりから「カックン」「ジャリジャリ」というような音が出る、いわば雑音があるのも顎関節症の初期症状です。
この場合、症状としては「雑音がする程度でほかに痛みなどの症状はない」と言われる患者さんも少なくありません。そのようなケースでは経過観察をして、今後の様子を見ていくこともあります。
お口が開きにくい・開けない
「お口が開けない・開きにくい」というのは、具体的にどの程度のレベルであるのかと言うと、「人さし指から薬指までの指3本分がお口の中に入っていきづらい」という方は、顎関節症を疑います。
日常生活においては「あくびにも気を使うくらいに顎が痛い・開けづらい」といったイメージです。
顎関節症になったら何科に行く?|まずはかかりつけ医に相談しよう
自分自身が顎関節症かもしれないな、と思われた方は、歯科医院の中でも「口腔外科」と標榜されている歯科医院を受診されることをおすすめします。
もちろん、ユキデンタルオフィスでも顎関節症の診察をおこなっております!
笑気吸入鎮静法は健康保険適用の対象|費用について解説
こんにちは、ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
歯科医院で行われる一般的な局所麻酔法とは違い、笑気吸入鎮静法は特殊な麻酔法なので「自費扱いになるの?」と疑問を持たれる方は少なくありません。
笑気ガスを取り扱っている歯科医院自体がとても少ないので、患者さんがそう思われるのも無理はないでしょう。
しかし、結論から申し上げますと、笑気吸入鎮静法は基本的には健康保険が適用されます。
笑気吸入鎮静法の費用|一般的なケース(3割負担)の場合
一般的なケース(会社員の方・3割負担)で考えますと、笑気吸入鎮静法にかかる費用はおおむね700円~800円前後かかってきます。そこにむし歯などの治療にかかる費用が別途加算されるイメージです。
「笑気って、思っていたよりも費用がかからないんだね~」とおっしゃる患者さんも多く、費用面に関しては取り組むハードルが低めであることも笑気吸入鎮静法の大きなメリットです。
例を挙げると、3割負担の患者さんが30%濃度の笑気ガスを20分間吸入し、治療を受けたケースでは笑気吸入鎮静法のみの自己負担金額はおおむね700円前後です。
また、笑気吸入鎮静法の詳細な費用は、以下の要因によっても前後いたします。
・健康保険の負担割合
・笑気の濃度や吸入した時間
・患者さんの肺活量
笑気は、患者さんのお気持ちの状態やご年齢などで効き方には個人差があります。当院では、一人ひとりに応じた濃度や吸入時間を調整いたしますので、詳しくはお気軽にお尋ねください。
健康保険が適用されるケース
「笑気吸入鎮静法は一部の疾患(病気)しか、健康保険が適用されないのでは?」と疑問を持たれる方も中にはおられますが、そのようなことはございませんよ!
一例を挙げますと
・むし歯の治療
・ 抜歯の治療
・外傷をした際の外科的な処置
など、さまざまな症例に対して笑気吸入鎮静法は健康保険が適用されるのです。
つまり、通常の保険診療でも適用される病気(疾患)に関しては、局所麻酔と同様に笑気吸入鎮静法についても健康保険が適用されるというわけです。
健康保険が適用されないケース
反対に、笑気吸入鎮静法について健康保険が適用されないケースは、インプラント治療をはじめとする「自費診療」などが該当します。
治療内容が自費診療扱いの場合であれば、笑気吸入鎮静法だけに健康保険を適用させることはできませんので、ご留意ください。
笑気吸入鎮静法|治療の流れを解説
こんにちは、ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
前回のブログ「笑気吸入鎮静法の特徴と安全性について」で、笑気吸入鎮静法は思っていたよりも、安全かつ副作用のすくない治療であることがお分かりいただけたでしょう。
今回は「どういった流れで笑気吸入鎮静法は行われるのか?」といったことを解説いたします。
笑気吸入鎮静法の治療の流れを大別すると4つに分けられます。実践的な笑気吸入鎮静法の手順が理解できることで、患者さんの歯科に対する恐怖心や不安感を軽減する一助となれば幸いです。
手順➀ モニタリングの下準備
笑気を吸入する前に、モニタリングの準備は欠かせません。患者さんのささいな体調変化を見逃さないように、血圧計やパルスシメータなどを装着して、事前準備をします。
手順② 鼻マスクを装着する
患者さんに笑気を吸ってもらうための鼻マスクを装着いたします。装着後は徐々に笑気濃度を20~30%程度に上げていきますが、笑気には「至適鎮静濃度」といって、効き過ぎないように、ちょうどよいバランスを保つ必要があります。
したがって、バイタルサインを取りつつも、患者さんの表情そのもの(目の瞬きや焦点)や呼吸の動きに対しても気を配りながら、こちらの呼びかけに関してもきちんと応じてくれているか?といったチェックを行っていきます。
手順③ 歯科治療の開始
バイタルサインや呼吸・表情などを判断材料に、患者さんが十分にリラックスできたのを確認してから、いよいよ治療がスタートいたします。
患者さんが治療中に痛みを訴えた場合は局所麻酔を追加していきますが「麻酔は怖い」と抵抗感が強い方でも、笑気の効果によってリラックスした状態になっているので、スムーズに治療を進めていきやすいです。
なぜならば、笑気には鎮静・鎮痛作用がありますので、笑気を用いたケースではリラックスすると同時に痛みを感じにくくもなるからです。
つまり、笑気を吸入させた状態で麻酔を行えば「痛みをとるための麻酔が痛い」といったストレスが軽減された状態で治療を受けられるというわけです。
手順④ クールダウン
治療後は速やかに笑気吸入を中断し、100%濃度酸素を5分以上吸入していただいたあとは、鼻マスクを外して、患者さんに足元のふらつきや気持ちの悪さなどがないか確認してから、待合室へとご案内いたします。
笑気の効果は、発現もスピーディーですが、消失に関しても速やかな点が大きなメリットの1つ。しばらく待合室でお待ちいただきクールダウンをしてもらえれば、そのままご帰宅してもらうことが可能です。
笑気吸入鎮静法の特徴と安全性について
こんにちは。ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
歯の治療は誰にとっても抵抗感を抱くものです。
患者さんにとっては何をされるのかわからないし、苦しそうだし、口をずっと開いていなければならない。
そして何よりも「歯医者=痛い」というイメージが未だに定着し続けています。
そんな歯の治療にまつわる不安や恐怖心を軽減し、楽にしていくのが「笑気吸入鎮静法」(しょうききゅうにゅうちんせいほう)です。
笑気吸入鎮静法とは
笑気吸入鎮静法とは、副作用が非常にすくない安全な鎮静法のことです。
笑気と高濃度酸素が混合された笑気ガスを鼻から吸ってもらうだけで、鎮静状態が得られます。
実際に笑気吸入鎮静法を体験された患者さんは「うっとりした気分になった」「うとうと眠ったような気持ちで治療を受けられた」といった感想をいただいています。
笑気吸入鎮静法は安全なのか?
「鼻からガスを吸っても大丈夫なの?」「身体に影響はないのか」といった質問をよく受けます。
結論から言いますと、笑気ガスは治療後30分以内に体外からスピーディーに排泄されてしまうので、副作用が非常に少ないです。
呼吸器や循環器にほとんど影響を与えることなく、肝臓にも負担をかけませんので肺や心臓に障害を持っている患者さんにも適用できますし、数分休んだあとはすぐに車の運転などもおこなえます。
もちろん、笑気吸入鎮静法を安全に受けていただくためには、治療前後のバイタルチェック(血圧・脈拍数・動脈血酸素飽和度など)は欠かせません。
当院では適時モニタリングをおこない、よりリラックス効果が高まるように細心の注意を払って治療していきますので、どうぞご安心ください。
笑気吸入鎮静法に向いている人・向いていない人(禁忌症)
ここまで解説してきましたが、笑気吸入鎮静法は適用できる方とそうでない方(禁忌症)がいます。
笑気吸入鎮静法が向いている人
・不安感や恐怖心の強い方
・血圧の高い方や心臓に病気を持っている方
・口の中を触られると吐き気を催しやすい方(嘔吐反射の強い方)など
笑気吸入鎮静法が向いていない人
・鼻づまりなどで鼻呼吸ができない方(鼻から笑気を吸うからです)
・妊娠されている方
・喘息など呼吸器疾患のある方
・体内に閉鎖腔のある病気の方(中耳炎や腸閉塞、気胸など)
・過換気症候群の方
・パニック障害の方など
今回は笑気吸入鎮静法が副作用のすくない安全な治療法であることをご説明していきましたが、それでも「笑気ガスを吸うのは抵抗がある」という方は、別の方法も検討・ご提案しながらオーダーメイドで治療計画を立てていきますので、お気軽にご質問してください。
二段階麻酔法|痛みを回避する手法とは
こんにちは、ユキデンタルオフィスの小場です😀
「注射」というワードが出てきただけで、拒否反応を示す患者さんは実に多くいらっしゃいます。
私自身も歯科医師になる前は麻酔されることがとても苦手だったので、麻酔に対してご不安な気持ちを持つ心情は十分に理解しているつもりです。
しかし、残念なことに歯科治療で痛みを抑えるために麻酔をすることは避けて通れません。
だからこそ、当院はできる限り麻酔の痛みを回避できる心配りを大切にしています。
前回のブログ「歯科恐怖症には、2つの「ない」を目指す」でもすこし触れましたが、今回は、具体的な麻酔の痛みをすくなくする方法をご説明します。
なぜ痛みを抑えられる?二段階麻酔法とは
痛みを回避する麻酔方法としては麻酔針の痛みを和らげるため、2回に分けて患部を痺れさせていく「二段階麻酔法」を採用しています。
そもそも、なぜあんなにも麻酔の針は痛いのか?というと麻酔針を刺す際の「チクッ」とした痛みが原因です。
したがって、注射の針を刺す前の行程から痛みを感じにくくするように、針を刺す部位に対して、あらかじめ「表面麻酔」と呼ばれる処置を施してから麻酔をおこなうのです。
表面麻酔とは歯ぐきに塗るタイプのお薬のことで、あらかじめ患部に表面麻酔を塗布して、数分~10分程度じっくりと浸透させることで、歯ぐきの知覚を麻痺させるのです。
もちろん、表面麻酔に関してはまったく痛みを感じませんのでご安心くださいね😀
痛みをおさえるためにはテクニックも大切
ほかにも痛みを回避する工夫がありますが、皆さんは何であると想像しますか?よく効く麻酔を使うことでしょうか?それとも、最新の器具を使うこと?
これら器具や薬剤も、もちろん大切ですが1番肝心なことは「丁寧に麻酔を打つこと」です。
痛くない麻酔のテクニックとしては「麻酔針を打つ場所・薬剤を注入するタイミング・一定速度で麻酔を打つ」これら3つの工夫を取り入れて、針を刺すときの痛みをできる限り減らしていきます。
具体的には術者(歯科医師)の指先の圧力がかからないように、針を患部に「置く」ようにして刺していきます。
ほかにも、一気にどっと注射液が入ってしまうと圧力は高まり、痛みが増してしまうので「そーっと」麻酔液を注入する技量も必要です。
個人差はありますが、患者さんのなかには「何かが触れたような感覚だけで、麻酔の痛みは感じなかった」とおっしゃっていただけたケースもすくなくありません。
歯科恐怖症には、2つの「ない」を目指す
こんにちは。ユキデンタルオフィスの小場です😀
当院では「痛くない・恐くない」この2つの「ない」歯科医院を目指しています。
「歯科医院が怖い」「治療は痛いから嫌だ」といった気持ちは、多くの人が抱いている、ごく当たり前の感情です。
歯の治療が怖いことは、たとえ大人であっても決して恥ずかしいことではありません。
実は私自身も歯科医師になる前は歯医者が怖くて「痛くない歯科医院があればいいのに」と、よく思ったものです。
だからこそ、患者さんの気持ちは大いに理解・共感できます。
そんな私だからこそ、歯科恐怖症の方を含めて一人ひとりと向き合い、快適な医療が提供できるように3つの具体的な取り組みをおこなっています。
歯科恐怖症対策➀ 徹底した事前のヒアリング
歯科医院に対して特にトラウマが強い方などは、歯科医師を目の前にすると緊張してしまい、言いたいことが言えないという方も多いです。
このような理由から、当院では問診票の段階で恐怖心を感じる方に、あらかじめ申告ができるようにしています。
その問診票をもとに、恐怖心の強い方には麻酔を伴わない治療から始めてみるなど、個々の治療方針を立てていきます。
また持病のある方などはお薬手帳を持参してもらい、万一当院で処方する薬と飲み合わせる薬の相性が良くない場合は、主治医と連絡を取り合って慎重な判断をおこなうケースもあります。
歯科恐怖症対策② 患者さんのご意向が第一
来院される患者さんのなかでは、セカンドオピニオンの方もいらっしゃいます。
なぜセカンドオピニオンしたのか、理由はさまざまですが、その根底のなかには「自分の気持ちを聞かれずに、流れ作業的に治療された」という気持ちを持って来院される方がすくなくありせん。
当院では治療のご予算や見た目のご希望などはもちろんですが、治療に対する不安や歯科医院に対する不信感のお気持ちまですべて受け止めますので、どうぞご遠慮なくお話しください。
歯科恐怖症対策③ できる限り痛みがないような配慮
誰でも痛いのは嫌ですし、嫌な思いをすれば敬遠したくなるのは当然でしょう。
当院では、物理的な痛みを解消してリラックスした状態で治療に臨めるように「二段階麻酔法」と「笑気吸入鎮静法」を導入しています。
あまり聞き慣れない専門用語ですが、どのような治療法なのか?
詳しくは、次回以降のブログで解説いたしますね。
ただの口内炎だと侮ってはいけない理由
こんにちは。ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
なかなか治らない口内炎に困った人は多いでしょう。
私は、もともと琉球大学医学部附属病院の歯科口腔外科に勤務していた経歴もあり、親知らずの抜歯を希望される方はもちろん、なかには「長引いている口内炎」が気になって来院される方がすくなくありません。
「口内炎など、我慢すれば勝手に治るものだ」と思っている方もすくなくありませんが、私が長年の臨床経験からぜひ皆さんにお伝えしたいことがあります。
それは「ただの口内炎だと思って侮るなかれ」ということです。
口内炎は「2週間」がキーポイント
結論から言うと、2週間以上長引いている口内炎や1cm以上の大きな口内炎は注意が必要な場合があります。
なぜ注意が必要なのかと言うと、口内炎(口腔粘膜疾患)の背景には、非常に多くの病変が潜んでいる可能性があるからです。
口腔粘膜疾患は、大まかに言うと3つのパターンに分類できます。
①あくまでお口のなかに限られた病変で、投薬や生活習慣の改善などで治癒する
②全身疾患の部分的な症状として口腔粘膜に症状をあらわすケース
例)手足口病・ヘルパンギーナ・ベーチェット病など
③悪性腫瘍のケース
来院される患者さんのなかでもっとも多いケースは➀ですが、②のケースもすくなくありません。
そして上記のなかで、もっとも用心するべきは③の悪性腫瘍の場合であり、これが「口内炎を甘く見てはいけないよ」というメッセージにつながります。
定期検診では粘膜部分まで細かく診てもらうことが大切
お口のがん発生頻度は、がん全体の1〜3%程度と決して多くありませんから、一般の方にはあまり認知されていないのが口腔がんの現状です。
しかし、他のがんと違うところは「患部を直接見られる」ことです。
つまり口腔がんは比較的、早期発見しやすいがんと言えます。
お口のなかは食べ物や入れ歯などで刺激に晒されて汚れやすい部分なので、容易に感染を起こしやすいです。
また、本来の典型的な形で病変が現れず、むしろさまざまな変化を起こした状態であらわれる場合が数多くあるのが口内炎の特徴と言えます。
このような特殊性からユキデンタルオフィスでは、通常の歯科検診から粘膜部分までていねいに検査して、良性・悪性の見極めをおこなうことで、わずかな変化を見逃しません。
万一、なにか疑われるようであれば、すぐに専門機関へ紹介できるパイプの太さも当院の強みです。
むし歯治療のトラウマをなくすために心がけていること
こんにちは。ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
むし歯治療をおこなう際に「キュイーン」という、あの耳ざわりな音・・・。
子どもはもちろんのこと、大人の方であっても決して気持ちのよい音ではありませんよね。
想像しただけで恐怖心がよみがえってくる方も、なかにはいらっしゃるのではないでしょうか。
患者さんが歯医者で感じる「恐怖心」の根底には2つの原因があると思っています。
1つ目は「肉体的な痛みからくるもの」
2つ目は「精神的な理由によるもの」です。
ユキデンタルオフィスでは、恐怖心の根元の問題である痛みやトラウマを取り除いて、歯医者へ向かう足取りをすこしでも軽くしたいと常に考えています。
幼少期の歯科トラウマは生涯に渡って記憶に残るもの
むし歯治療で特に注意を払わねばいけないのは小さな子どもさんです。
なぜならば、子どものときの「歯医者さんで痛いことをされた!」「無理やりおさえつけられた」といった記憶は、生涯に渡って根深く残るからーー
そう確信したのは、長年の臨床経験によるものです。
大人の患者さんのなかでは、重度のむし歯を長期間に渡って放置しており「もう抜歯するしか為す術がない」と思えるほどになってから来院される方もなかにはいらっしゃいます。
そのなかで「子どものころに歯医者でひどく痛い思いをしたから、ずっと歯医者を懸念していた」という幼少期の苦い経験を打ち明けてくれる方はすくなくありません。
しかし、こういった方がわざわざ重い腰を上げて当院に来てくれたのに、すでにむし歯の進行が進みきっているので、効率的な治療を施すのが困難になるのです。
典型的な悪循環ですよね・・・。
「もっと早く来てくれれば、痛みも治療期間もすくなくなるのに・・・。」
歯科医師として、いつも悲しい気持ちになります。
そういった背景から、私は「小さな子どものときから歯医者へのマイナスイメージを与えてはいけないのだ」と痛感しているのです。
子どもの治療に対する当歯科医院の考え
ユキデンタルオフィスでは、子どもさんのやる気を引き出して「治療としっかり向き合える環境作り」を重視しています。
(大人でもそうですが)だいたいの子どもさんの場合は、1回ですべてのむし歯治療は終えられないと思っていただいた方がよいです。
要するに何回か通院が必要となるので、初歩的な段階から恐怖心を与えてしまっては、治療のゴール(むし歯完治)が遠のいてしまいます。
お子さんの治療は「決して焦らず、ゆっくり段階を踏んで治療を進めていくこと」が肝になってきます。急がば回れ、なのです。
例を挙げると
・初診時はむし歯に使う器械に慣れてもらうだけで終わらせる
・初期段階の簡単なむし歯の治療からはじめて「思っていたよりも痛くない」「これなら我慢できる」を実感してもらう
・麻酔を使用した上級者向け治療はあえて後からおこなう
こういった工夫で徐々に、お子さんの自信と信頼関係を育てていきます。
ユキデンタルオフィスでは妊婦さんからご高齢の方、すべての世代に安心して通っていただける取り組みに今後も努めて参ります。
むし歯が発生するしくみとリスク
こんにちは。ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
今回は「そもそもどうやってむし歯になってしまうの?」といった原因論についてと、むし歯治療をおこなった「そのあとのリスク」に関してもお答えしていきます。
むし歯になるしくみとは
むし歯が発生してしまう第一の原因は「むし歯菌(ミュータンス菌)が出す酸」によるものです。
ミュータンス菌は、食物に含まれる糖質をエサにして酸という糞のようなもの(代謝物)を出して、その酸によって歯が溶かされて穴が開いてしまう状態を作り出します。
歯は酸性環境に対して非常に弱いので、むし歯菌によってお口のなかが酸性状態になり続けると、歯が溶けてくるというわけです。
そのほかにも、むし歯は「環境的素因」と「遺伝的素因」の2つが大きく影響していると考えられていますので、むし歯を予防していくためには、この2つが重要なキーワードとなってきます。
・環境的要因……むし歯菌が滞在している時間や糖質の多い飲食物を召し上がる
・遺伝的要因……生まれ持った歯の質やだ液量、歯並びなど
などが挙げられます。
歯周病菌とむし歯菌の違い
ちなみに、以前のブログ「歯周病が発生するしくみとリスク」でも歯周病のしくみについてお伝えしたのですが、歯周病菌とむし歯菌に関して大きく違うところが1つあります。
皆さん、分かりますか?
それは、むし歯菌は「細菌そのもの」が悪さを起こして歯が溶けてしまうのに対して、歯周病菌は、細菌から逃れるために歯が防御反応を起こした結果「自らが」顎の骨を溶かしてしまう、という点。
歯や顎の骨に対して悪さを働くという点においては一緒なのですが、根本的な作用はまったく違うのです。
少々、難しいクイズでしたね😅
むし歯を治したあとのリスクとは
むし歯の部分を削ったあとの歯はプラスチックや金属の詰め物、神経を取った歯に対してはかぶせ物を装着します。
しかし、治療すればずっとむし歯にならず安心だ、というわけではないのです。
「なぜ治療した歯がむし歯になってしまうのだ」といった声が聞こえてきそうですが、残念ながら、これは人工物の宿命です。
歯とかぶせ物の間には月日を追うごとに微細な「すき間」があらわれ、すき間から二次的なむし歯になることがあります。
また、詰め物の材質によっては天然歯よりもプラーク(汚れ)がつきやすく、神経を取った歯は痛みこそ感じないものの、栄養源の補給ができない状態にあるので非常にもろく、歯が割れるリスクが高まってしまうのです。
ユキデンタルオフィスでは、むし歯を治したあとのリスクについてもしっかりと説明し、患者さんに最適なかぶせ物や詰め物の提供に努めています。